給湯器の安全装置を解除するには? チェックすべきポイント・注意点を解説!
2016/11/04
2016/11/21
1年中温かいお湯を作る給湯器は、今や生活の必需品ですよね。最近では安全装置の精度が向上しているため、使い方を誤るとロックがかかることもあります。”安全装置が作動して動かなくなった”と困ってしまう方も多くなりました。突然温水が出なくなり慌てて給湯器をいじると故障の原因になります。ガス漏れや一酸化炭素中毒などの大事故につながる恐れもあるのです。そこでこの記事では、給湯器の安全装置を解除する方法について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、安全装置が作動した場合の対策について知ることができます。突然のトラブルでも慌てず対処できるようになるでしょう。給湯器は安全に見えてもガス機器ですから、取り扱いには注意が必要です。事故を防ぎ、安心安全に使うためにも必ず知っておきたい記事内容となっています。ぜひ目をとおしておきましょう。
1.給湯器の安全装置について
この項では、知っておきたい安全装置の基礎知識について解説していきます。安全装置の役割を見てみましょう。
1-1.安全装置とは?
給湯器には、適切な温度で安全に使用するための安全装置が付いています。事故や故障を防ぐために多くの技術が導入され、私たちの生活を守っているのです。屋内設置型の給湯器では過去、給湯器の劣化による不完全燃焼で一酸化炭素事故が発生しました。事故を踏まえ、現在販売している給湯器にはさまざまな安全装置が搭載されています。
1-2.安全装置が必要な理由
給湯器は蛇口を開けてから水が給湯器内に流れ、水流のスイッチが入ります。次に炎を燃やすためのファンが回り、空気を送るのです。点火するためのプラグが発火、そこにガスを送り着火します。給湯器に搭載しているさまざまな機能を見てみましょう。
- 水量センサー:お湯を沸かすために水量を読み取るもの
- 燃焼ファン(ファンモーター):ガスを燃やすための空気を送り出す(送風機)
- イグナイター:ガスを点火するための装置
- ガス比例弁:ガスの量を適切に制御する
- ガス電磁弁:ガスの開閉を行う
- 給湯交換器:水をお湯に換える部品
- ふろ熱交換器:追い炊きのお湯を高温のお湯に換える。お湯にするだけではなく冷やすときにも使う
- サーミスタ:温度を測るセンサー
- フレームロッド:炎を感知する
- COセンサー:不完全燃焼による一酸化炭素濃度の上昇を感知すると運転を停止する
- 電装基板:入水(にゅうすい)温度や入水(にゅうすい)量など給湯器内の色々な情報を判断し正確に作動するよう働く部品
- 水位センサー:浴槽の水位を測定する
ご紹介したのは一部になります。上記のような機能を搭載しているおかげで給湯器が適切に動作しているのです。異常が起こればセンサーが危険を検知して運転を停止します。上記のような機能は私たちが安心・安全に給湯器を使用するために必要なものです。
1-3.安全装置の役割
次に給湯器の安全装置をチェックしましょう。安全装置には下記のような種類があります。それぞれに役割があるので確認してみてください。
1-3-1.不完全燃焼防止装置
現在販売されているすべての屋内型給湯器には、不完全燃焼防止装置が付いています。80年代に給湯器メーカーが導入してから、89年には国が設置を義務付けました。不完全燃焼を起こす前に、温度差から危険を感知し運転を停止する機能です。不完全燃焼防止装置が付いている本体には”不完全燃焼防止装置付”というシールが付いています。平成20年4月以降には、不完全燃焼防止装置が3回連続作動すると点火できなくなるインターロック機能を搭載した機器も登場しました。
1-3-2.そのほかの安全装置
給湯器には、不完全燃焼防止装置のほかにもさまざまな安全装置が付いています。
- 立ち消え安全装置:立ち消えしたした場合運転を停止する装置。立ち消えとは火が途中消えた状態のこと
- 空焚(からだ)き安全装置:空焚(からだ)きを感知して運転を停止する
- 過熱防止装置:機器本体が異常過熱するとガスを止め、給湯器を停止する
- 凍結防止装置:一定温度以下になるとヒーターが作動、凍結による機器の破損を防止する
- 過電流防止装置:異常な電流が流れると検知して自動的に運転を停止する
- 漏電安全装置:微弱な電流も検知して電源をカットする
- 停電時安全装置:燃焼中に停電した場合、緊急停止する機能
どの装置も給湯器の事故を防ぐためには必要な機能です。古い小型湯沸かし器には上記のような装置が付いていない機器もあります。安全装置がなければ事故を未然に防ぐことができず、大事故につながる可能性もあるのです。特に不完全燃焼防止装置の付いていない機器は、取り替えたほうが良いでしょう。
2.給湯器の安全装置が作動した場合
給湯器を使っていて突然停止することってありますよね。安全装置が作動した場合どのように行動すればいいのでしょうか。詳しく解説します。
2-1.安全装置が作動したら行う3つのこと
安全装置が作動したということは、給湯器に何らかの異常を検知したということです。まずは速やかに以下の行動をとりましょう。
2-1-1.一にも二にもまず換気!
燃焼中、運転停止した場合一酸化炭素が発生している恐れがあります。一酸化炭素は無色無臭です。毒性が強力で気付かないうちに意識を失います。安全装置が作動したら、まずは換気を行いましょう。台所の小型湯沸かし器の使用中は”換気しながら使用すること”とされています。換気は換気扇やレンジフードのファンを回し、窓を開けてください。
2-1-2.メーカーのカスタマーセンターへ連絡
給湯器が動かなくなると生活に支障をきたしますよね。安全装置が作動した場合は、速やかにカスタマーセンターに連絡しましょう。早く機能してほしいと思い、自分で給湯器をいじるのはやめてください。故障や事故のリスクが高まります。
2-1-3.給湯器の設置を行う業者に連絡する
”メーカーのサポートセンターでは対応が遅い””今すぐ解決してほしい”とやきもきする方は、24時間対応可能な業者に連絡しましょう。給湯器の設置・工事を行う業者はトラブルにも強いです。メーカーの対応は時間がかかることもありますから、お湯が出なくて困っているときには早急に対応してくれる業者が頼りになります。原因を突き止め問題を解決するプロ集団ですから、安心してお任せしましょう。
2-2.作動した原因で考えられること
給湯器の安全装置が作動するということは、給湯器内に異常事態が考えられます。不完全燃焼や立ち消え安全装置・過熱防止装置など、どの装置が作動しているかで原因がわかるでしょう。主な原因としては長時間使用したことによる酸欠や、経年劣化による熱交換器の詰(つ)まりです。しかし、素人が判断できるものではありません。必ず業者やメーカーに確認してもらいましょう。また、使用方法を誤って使うと安全装置が作動する原因になります。今一度取り扱い説明書に目をとおして正しく使用するようにしましょう。
2-3.異常時の見分け方とは?
給湯器の異常は事前にチェックすることもできます。あなたの給湯器に以下のような症状はありませんか?
- 換気しているのに頻繁に火が消える
- 使用中異臭がして目がしみる
- 点火確認窓から見える炎が青ではなく黄色
上記のような症状があれば。このまま使用し続けるのは大変危険です。直ちに使用を中止してください。点火確認窓から見える炎の色は青が正常です。黄色の場合は不完全燃焼の恐れがあります。一酸化中毒を起こす危険性がありますから、すぐに運転を停止して換気を十分に行いましょう。
2-4.やってはいけないこと
給湯器のトラブルで絶対にやってはいけないことは”再点火”です。火が付かないからと、何度も点火するのは一酸化炭素中毒につながります。急にお湯が出なくなり焦ってしまう気持ちはわかりますが、点火ボタンを何度も押す行為は絶対にやめましょう。また、機器の上にタオルなどをかけ排気口や給気口を塞がないよう注意してください。不完全燃焼や火災の原因となり危険です。機器と周囲のものは上部15㎝以上離し、左右は5㎝以上開けるのが防火上の離隔距離となっています。メンテナンス上は、左右20㎝以上確保するのが理想的です。事故や故障を防止するためにも必ず守ってください。
3.給湯器のトラブル~業者選びのポイント~
給湯器のトラブルを解決するには、業者に依頼する方法が一番安全・安心です。この項では業者選びのポイントや気になる費用についてご案内していきます。
3-1.業者選びのポイント
業者選びで押さえておきたいポイントを見てみましょう。
- 給湯器に関する知識と経験が豊富
- 修理・交換に迅速に対応する
- 新品を無理やり進めない
- 無料相談・無料見積もりを行う
- 工事に保証が付いている
- 実績があり技術力が高い
- 親切丁寧な対応
- アフターサービスも充実している
上記のような業者なら安心して依頼できます。信頼できる業者が見つかれば何かあってもすぐに駆け付けてくれるため、頼もしいです。メーカー保証に加え工事保証付きなら、万が一不具合が起きたときも無償で対応してもらえます。
3-2.アフターフォローについて
給湯器などの住宅設備を修理・設置してもらった場合、重要になるのがアフターフォローです。通常機器を購入するとメーカー保証が付いてきます。しかし、メーカー保証は1年~3年ほどです。給湯器が新しいうちは不具合も少ないでしょう。問題は5年経(た)ってからです。長く使い続ければ不具合は必ず出てきます。しかし、メーカー保証は切れているため利用できません。そこで助かるのが業者による”工事保証”なのです。工事保証が10年付いてくる業者なら安心しますよね。何らかのトラブルに見舞われたとき、保証期間内であれば無償で修理対応してくれるのです。全国どこでも修理可能な業者なら、引っ越しした後も対応してもらえます。
3-3.設置・修理費用はどのくらいかかる?
給湯器の設置・修理費用は修理箇所や業者によって異なります。メーカー修理であれば出張費が2000円~3000円程度かかるでしょう。工事費用の料金体系は出張費+技術料+部品代=合計が一般的です。修理費用は現場確認後に見積金額として提示がありますのでよく確認してみましょう。金額に疑問があればその場で聞いてください。10年以上使用している給湯器の場合、部品の取り寄せができないことがあります。部品がないと修理できませんから新しいものに交換になることもあるでしょう。いずれにしても、現場を確認することが大切です。まずは無料見積もりを行う業者へ問い合わせてみましょう。
3-4.給湯器トラブルの問い合わせ先はこちら
3-4-1.お湯が出ない!安全装置が作動した場合は
給湯器のトラブルで多いのが”お湯が出ない””安全装置の作動で運転停止”です。どちらも給湯器が正常に機能しないため、非常に困りますよね。給湯器のトラブルは、24時間年中無休、全国どこでも対応可能な業者がオススメです。豊富な実績と給湯器に関する深い知識を持っています。確かな技術力が評判です。
給湯器設置・交換ガイド
http://www.eco-shopping.net
3-4-2.業者を巡るトラブルはこちら
給湯器を購入後、業者とのトラブルに見舞われた場合は国民生活センター へ問い合わせましょう。”修理を依頼したのに新品を強引に進められた!””設置後不具合があるのに修理してくれない”といったトラブルに対応してくれます。
国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/
業者とのトラブルは、解決まで時間がかかることもあります。その間給湯器が使えないのは不便ですよね。きちんと修理してくれる信頼できる業者に相談してみましょう。
4.給湯器の安全装置に関するよくある質問
給湯器の安全装置に関する質問を5つご紹介します。給湯器の修理や設置で悩んでいる方はしっかり確認しておきましょう。
4-1.急いで修理してほしいです。すぐに対応してもらえますか?
早い業者なら即日対応も可能です。しかし、部品の取り寄せが必要な場合は数日かかることもあるでしょう。現場を見てからの判断になります。お急ぎの方は早めに業者へ連絡しましょう。
4-2.給湯器の寿命はどのくらいですか?また寿命が近いときのサインはありますか?
一般的に給湯器の寿命は8年~10年と言われています。使い方や設置場所によっては8年より前に故障することもあるでしょう。しかし、10年経(た)っても正常に機能している給湯器もたくさんあります。給湯器の寿命が近いときに現れるサインはこちらをご覧ください。
- お湯が出ない
- お湯がぬるい
- 給湯温度が設定温度と一致しない
- エラーコードがたびたび出る
- 給湯器から異音がする
- 排気口から煙が出る
- お湯の出が悪くなった
- お湯張りしたときの温度がぬるい(熱過ぎる)
上記のような症状は、寿命が近づいているサインです。故障する前に修理やメンテナンスを依頼しましょう。このまま使い続けているのは事故の原因になることもあります。いずれ修理するのなら、早めに対応して安心しましょう。
4-3.給湯器の修理と交換どちらがお得?
どちらがお得かは、給湯器の状態によります。新しいものなら修理の方が安く済むことが多いです。 古い給湯器の場合はメーカーが部品を保有していないこともあります。10年以上使っている給湯器は新しいものに交換になるでしょう。使い勝手の悪い古い給湯器はこれを機に新しいものに取り替えるのもいい方法です。安全性を確保するためにも交換をオススメします。
4-4.修理は自分でできますか?
給湯器はガス機器のため、修理には資格が必要です。自分で行うと大事故を引き起こす可能性もあります。プロに任せてください。
4-5.給湯器はどこが故障しやすいのですか?
給湯器の故障で多い箇所をご紹介しましょう。
- 配管の水漏れ
- リモコン
- 基盤の故障
- 給水バルブ
給湯器は室内に設置しているリモコンで操作します。よく使うものですから故障することも多いです。”ボタンが押せなくなった””表示がおかしい”といった故障があります。また、給湯器内部のお湯と水が通る配管は、劣化などで水漏れが起きやすい場所です。給湯器内部には電子機器がありますからほこりや湿気で基盤がショートしてしまうこともあります。給湯器に負担がかかるような使い方をしていると故障しやすくなりますので注意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では給湯器の安全装置を解除する方法と対策について解説してきました。給湯器は安全に見えてもガス機器です。過去に小型湯沸かし器による死亡事故などもありましたから現在は安全装置が作動しやすくなっています。安全装置が作動したということは何らかの異常が現れているサインです。むやみにボタンを押し続けることや機器をいじらないようにしてください。十分な換気を行い、火気を避け早めに業者へ修理依頼をしましょう。この記事でご紹介した”業者の選び方”を参考に、信頼できる業者を見つけてください。万が一の不具合にもすぐに対応してくれる業者を見つけておくと、今後何かあっても安心ですよ。