エコキュートの節約効果がスゴイ!仕組みやメリット・選び方を紹介
2016/06/30
2016/07/23
「エコキュートについて知りたい」「メリットにはどのようなものがあるのか?」という気持ち、よく分かります。
給湯システムの一つであるエコキュート。ここ数年で急速に普及がすすみ、関心を持つ人も増えてきました。この記事では、エコキュートの仕組みや導入するメリット・選び方などをまとめて解説しましょう。
- エコキュートとはどういうもの?仕組みやメリットを紹介!
- エコキュートの省エネ効果と種類
- エコキュートを選ぶ3つのポイント
- エコキュートの故障・交換について
- エコキュートにしよう!業者の選び方と注意点
- エコキュートにかんするよくある質問
この記事を読むことで、エコキュートの魅力や賢い使い方が分かりますよ。
1.エコキュートとはどういうもの?仕組みやメリットを紹介!
エコキュートが給湯システムの一つであるということはご存じだと思います。その仕組みやメリット・デメリット、最近の傾向などをご紹介しましょう。
1-1.「エコキュート」は商品名ではない
「エコキュート」という名称のことを商品名だと思っている人は多いでしょう。しかし、そうではありません。エコキュートの正式名称は自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯器。電力会社や給湯機器メーカーはその愛称として「エコキュート」という言葉を用いているのです。そのため、さまざまなメーカーがこの名称を使用しています。
いくつかタイプがある給湯システムの中でも、熱源に電気を使用するものの代表がエコキュートと電気温水器。どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。
1-2.空気の熱でお湯を沸かす…エコキュートのしくみとは?
そもそもエコキュートとは、空気の熱でお湯を沸かす電気給湯器です。その仕組みはとてもシンプル。まず、大気中にある空気を室外機が取り込み、その熱が熱交換器で冷媒に吸収されます。その冷媒を圧縮機で圧縮し、さらに高温にするのです。そして、その熱を水に伝えてお湯を沸かすという仕組みになっています。エコキュートの電気エネルギーは、従来のヒーター式電気温水器のわずか3分の1程度です。
1-3.電気温水器とはどう違う?
エコキュートと同じように、電気を使ってお湯を沸かす給湯システムが電気温水器です。エコキュートと電気温水器にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、お湯を温める方法に違いがあります。電気温水器は電気の力でヒーターを温めるだけの単純な仕組みです。また、貯湯ユニットでお湯を作ることができるため、室外機を設置する必要はありません。
1-4.エコキュートのメリット・デメリット
エコキュートを導入することで、私たちの暮らしにはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットについても確認しておきましょう。
1-4-1.エコキュートのメリット
エコキュートの最大のメリットは、従来のガス給湯器と比べて光熱費が安く済む、という点でしょう。エコキュートがお湯を作る時間帯は、主に電力需要が少ない深夜です。そのため、給湯にかかる料金が安くなります。また、タンクの水は断水時などの非常用水として活用することができるというメリットもあるでしょう。停電時もタンクから水を取り出すことが可能です。
1-4-2.エコキュートのデメリット
エコキュートは深夜に大量の水をためておく仕組みです。そのため、冬は効率が低下して光熱費が高くなることもあります。また、水質によっては耐用年数が低下しやすいというデメリットもあるということです。
そして、もう一つ。騒音の問題についても考える必要があります。エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を作るため、空気を圧縮する際の機械音が発生するのです。深夜に作動することから、気になる人も多いでしょう。また、近所トラブルに発展したケースもあります。設置場所や遮音対策についても、しっかりと検討しましょう。
1-5.エコキュート、最近の傾向は?
エコキュートの普及率は全体の10%前後と、海外に比べて低くなっています。その理由は、日中の電気代が上がる・導入費が高いなど、導入に躊躇(ちゅうちょ)する原因があるためでしょう。確かに、従来の料金プランよりも安い深夜電力を使うことで、日中の電気代が割高になります。しかし、最近は電気料金が値上げ傾向にあるため、光熱費を下げるという目的でエコキュートの導入を検討する家庭は減ってきたのです。その結果「火事などのリスクが少ない」という理由でエコキュートを導入する家庭が増えてきています。
2.エコキュートの省エネ効果と種類
エコキュートによる省エネ効果は、生活にどのような影響を与えるのでしょうか。種類やメーカー別の製品についてもご紹介します。
2-1.使い方によっては省エネ効果が高い!
お湯は毎日の生活に欠かすことのできないものです。お湯を沸かすために必要な熱エネルギーは生活全体の約3割と言われており、もともと空気中にある熱を使ってお湯を沸かすエコキュートだとその3割を大幅に削減することができます。
ただし、エコキュートを導入すると必ず光熱費が安くなるというわけではないのです。生活スタイルによってはあまり変化がなかったり、かえって高くなったりすることもあるため注意が必要。例えば、昼間は不在で電気をほとんど使わないような家なら、エコキュートの省エネ効果は非常に大きいと言えるでしょう。
2-2.エコキュートの種類と特徴
エコキュートは、機能別に4つの種類に分けられます。それぞれの特徴をご紹介しましょう。
2-2-1.おまかせタイプの「フルオート」
ボタン一つで「お湯はり」から「保温」「追い炊き」までを全自動でこなします。お湯は浴槽の横側から出てきて、量や温度をすべて自動で管理してくれる便利なタイプです。もっとお高機能なタイプであり、値段も高くなります。
2-2-2.お湯はりを自動にしたい人におすすめ!「オートタイプ」
「お湯はり」と「たし湯」が自動でできるタイプです。フルオートとは異なり「追い炊き」と「保温」はできません。初期費用が安く済むため、お湯はりが自動であればよいという人におすすめです。
2-2-4.設置と操作が簡単な「給湯専用タイプ」
お湯はりは手動で、追い炊きなどの機能もありません。お湯は蛇口から出てくるタイプですが、初期費用としては最も安いのが特徴です。
2-2-5.床暖房と浴室暖房乾燥が可能!「多機能タイプ」
1台で「給湯」と「自動湯はり」「床暖房」「浴室暖房乾燥」が可能なタイプです。オール電化住宅へのリフォームを検討している人にはおすすめのタイプとなっています。
2-3.メーカー別の製品紹介
エコキュートは各メーカーから発売されています。代表的なメーカーの製品をご紹介しましょう。
2-3-1.三菱電気の「Pシリーズ」
三菱電機のエコキュートと言えば「Pシリーズ」が人気です。浴槽の栓を抜くとお風呂の配管を自動で掃除してくれるという「バブルおそうじ」機能がついており、いつでも清潔な湯船を保つことができます。
2-3-2.コロナの「プレミアム・エコキュート」
コロナの「プレミアム・エコキュート」には、入浴検知センサーが搭載されています。人が入浴したのをセンサーで感知して保温追い炊きをしてくれるため、常に快適な湯加減を持続することが可能です。
2-3-3.ダイキンの「スマQシリーズ」
ダイキンの「スマQシリーズ」は、専用のアプリと連動が可能で、タブレットやスマートフォンから電気使用量をリアルタイムで確認することができます。キッチンとお風呂で同時にお湯を使っても、どちらも適温を維持できるのが魅力!
2-4.床暖房、太陽光発電との関係
エコキュートには、床暖房を同時に使用できるものや太陽光システムとの連携が可能なものもあります。そのメリットとデメリットをご紹介しましょう。
2-4-1.エコキュートの床暖房機能とは?
エコキュートの床暖房は温水式であり、エコキュートで沸かしたお湯が床下のパイプを循環して温める仕組みになっています。
安い深夜電力で沸かしたお湯を床暖房に使うため、ほかの方法と比べてランニングコストが安く済むというメリットがあるでしょう。しかし、床下にパイプを設置するための費用やメンテナンスが必要になるというデメリットもあります。
2-4-2.エコキュートと太陽光発電は相性がよい?
エコキュートと太陽光発電を同時に導入することをすすめられることも多いでしょう。確かに、エコキュートと太陽光発電は相性がよいと言われています。
太陽光が発電した電気を使うことによって、値上がりした日中の電気代を使わなくて済むのです。また、エコキュートは停電に弱いというデメリットがありますが、太陽光発電を設置することでこの問題も解決できるでしょう。
3.エコキュートを選ぶ3つのポイント
各メーカーからタイプの違ったエコキュートが豊富に発売されています。「どのエコキュートを選べばよいのか分からない」という人のために、選ぶ際のポイントをいくつかご紹介しましょう。
3-1.家族構成や生活スタイルで選ぶ
エコキュートには、薄型やコンパクトタイプ・集合住宅用などがあります。特に注意が必要なのが、タンクの容量です。目安としては、2~3人家族には370リットル、4~6人には460リットルがおすすめ。もちろん、そのほかにも「シャワーを浴びる回数が多い」「洗い物や洗濯にお湯を使いたい」など、生活スタイルを重視して容量を選ぶことも大切です。
3-2.タンクの形状で選ぶ
エコキュートのタンク形状には「標準」「スリム」「薄型」があります。標準タイプは一般的な戸建て住宅向きで、ラインナップも豊富です。スリムタイプは高さを出すことで設置面積を小さくしたもので、薄型タイプは奥行きが薄くなっています。設置場所の環境に合わせて適したものを選ぶようにしましょう。特にリフォームの場合は、設置場所を確保できるか確認が必要です。
3-3.知っておきたい注意点
エコキュートを選ぶ際に知っておくべき注意点は以下のとおりです。
- 家族構成や生活スタイルによって、どの機能が必要か考えて選ぶ。
- 初期費用だけでなく全体のコストも考えて選ぶ。
- 寒冷地や海の近くにお住まいの場合は、その環境に適したものを選ぶ。
4.エコキュートの故障・交換について
エコキュートの導入を検討する際、故障や寿命についても気になることが多いと思います。そこで、よくある故障や対応策、耐用年数などについて解説しましょう。
4-1.エコキュートによくある故障とは?
エコキュートによくある故障状況には、以下のようなものがあります。
4-1-1.お湯が出ない
お湯が出なくなるという症状は、エコキュートの故障で非常に多くなっています。「水は出るけれどお湯は出ない」という場合は、温度調整を管理している基盤が劣化していることに原因があるでしょう。
4-1-2.お湯が自動的に止まらない
自動的にお湯が止まらず、浴槽からあふれ出てしまうような場合は、水位センサーが故障していることが考えられます。
4-1-3.シャワーの湯温が安定しない
急にシャワーのお湯が熱くなったり冷たくなったりするときは、サーモスタット機能の故障が原因でしょう。キッチンで使うお湯の温度には問題がない場合は、シャワー部分だけの故障が考えられます。
4-2.故障時にはどう対応すべきか?
エコキュートの故障が考えられるとき、どのように対応すればよいのでしょうか。修理を依頼する前に、まず以下のことを確認してみてください。
- 故障の状況を正確に把握し、メモしておく。
- エコキュートをリセットしてみる。
- リセットで直らない場合は、修理業者に依頼する。
4-3.エコキュートの寿命は10~15年
エコキュートの寿命は10~15年と言われています。ただし、機種によっては修理がしやすく、長持ちしやすいものもあるのです。また、使用頻度や使い方・お手入れの仕方によって寿命は変わってきます。もちろん、耐用年数を超えても問題なく使い続けることができる場合もあるでしょう。
4-4.エコキュートの本体価格と工事費用は?
エコキュートの初期費用はどのくらいかかるのか、気になるところだと思います。まず、本体価格の相場は40~60万円程度です。インターネットで探せば30~40万円ほどで販売されていることもあるため、チェックしてみてください。
さらに、エコキュートを設置するためには工事費用が必要になります。工事費は設置する環境やスペースによっても変わりますが、10~20万円程度が目安です。オール電化の導入を検討している場合は、しっかりと見積もりを取ることをおすすめします。
4-5.エコキュートの補助金制度はどうなっているのか?
以前はエコキュートの導入における国の補助金制度がありました。その理由は、エコキュートを取り入れることで地球環境の保全に役立つためです。しかし、この制度は2010年に終了しています。現在はエコキュートの補助金を交付している自治体が限られているため、お住まいの自治体に確認することを忘れないでください。
5.エコキュートにしよう!業者の選び方と注意点
エコキュートの設置を依頼する業者選びは重要です。業者を選ぶ際のポイントには、以下のようなものがあります。
5-1.トラブルにしっかりと対応してくれる
エコキュートの設置後には、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。突然お湯が出なくなってしまったとき、水漏れをしてしまったときなどに、すぐに対応してくれるような業者を選ぶようにしましょう。そのためにも、できるだけ自宅の近くにある業者に依頼すると安心です。
5-2.アフターフォローが充実している
エコキュートは長年使うものなので、長期的な保証やアフターメンテナンスを用意している業者を選ぶことが大切です。最近は独自のアフターフォローサービスを提供する業者も増えているため、事前に内容を確認しておくとよいでしょう。
5-3.複数の業者に見積もりを依頼して料金を比較!
事前に複数の業者に見積もりを依頼して、良心的な価格を設定している業者を選ぶようにしましょう。特に、見積もりの内容が不明確な業者には要注意です。誰が見ても分かるような見積書を出してくれる業者は、信頼できるでしょう。
5-4.悪徳業者を見極めるには?
最近はエコキュートの設置を行う悪徳業者も増えてきています。そういった業者を選ばないためにも、見極めるポイントを知っておきましょう。
- 契約金額が高額である。
- 契約を急がされる。
- 飛び込み営業や訪問販売。
- 国家資格を持っていない。
以上のような業者は危険です。絶対に契約しないようにしましょう。
6.エコキュートにかんするよくある質問
エコキュートの導入を検討している人が感じるであろう疑問とその回答をまとめてみました。
Q.エコキュートを設置している場合、入浴剤は使用できますか?
A.酸やアルカリ・硫黄分を含んだ入浴剤は故障の原因になります。使用しないようにしましょう。
Q.停電のとき、エコキュートを使うことはできますか?
A.できません。ただし、タンクにお湯が残っている間だけはお湯が出る場合があるでしょう。設定温度では出てこないため、温度を確認してから使用してください。
Q.凍結を防ぐためにはどうしたらよいですか?
A.給水配管や給湯配管に凍結予防ヒーターを巻くことをおすすめします。寒冷地の場合は、風呂配管やヒートポンプとの接続配管にもヒーターを巻くようにしましょう。
Q.エコキュートにするとシャワーの出が悪くなるというのは本当ですか?
A.気になる場合は水圧の高い給湯器を選ぶとよいでしょう。また、シャワーのヘッドだけ変える方法もおすすめです。
Q.エコキュートの水は飲んでも大丈夫ですか?
A.基本的に飲用水ではないため、飲むのは避けてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。エコキュートの仕組みやメリット・選び方のポイントなどをまとめて解説しました。エコキュートは使い方によって電気代を大幅に節約することが可能です。ぜひこの記事を参考にして、その魅力を知ってください。