エコキュートの騒音問題が知りたい! 騒音対策・給湯器の選び方は?

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エコキュートはエコ給湯器として注目が集まっている種類です。大気熱を利用してお湯を沸かすので電気代を抑えることができます。しかし、近年問題となってきているのがエコキュートの騒音トラブルです。なぜ、騒音トラブルが起きているのか、きちんと理由を把握してから導入しなければなりません。そこで、本記事では、エコキュートの基礎知識・騒音トラブル・対策・選び方のポイントについて説明します。

  1. エコキュートの基礎知識
  2. エコキュートの騒音について
  3. エコキュートの騒音対策について
  4. エコキュートの選び方
  5. エコキュートに関してよくある質問

この記事を読むことで、エコキュートの騒音や、導入する際のポイントが分かります。買い替えを検討している方は、ぜひチェックしてください。


1.エコキュートの基礎知識

まずは、エコキュートの仕組み・省エネ効果・種類などの基礎知識を紹介します。

1-1.どんなものか、メカニズム

ヒートポンプ技術を用いて空気の熱を利用する電気給湯器を「エコキュート」といいます。自然冷媒である二酸化酸素(CO2)によって大気の熱をくみ上げ、給湯のために必要な熱エネルギーをつくり出す仕組みです。冷媒は、熱の移動に必要不可欠なもので、エコキュートの場合は、空気中の二酸化炭素が冷媒の役割を果たします。具体的なメカニズムは以下のようになります。

  1. 大気中の熱を、空気熱交換器で冷媒(CO2)に集める
  2. 熱を持った冷媒を圧縮機でさらに高温化する
  3. 水熱交換器で冷媒の熱を水に伝え、お湯をつくる
  4. 温められたお湯は貯湯タンクに貯(た)められる

また、熱を水に伝えた後の冷媒(CO2)は、膨張弁で減圧されて低温になります。低温になった冷媒(CO2)は、空気熱交換器に送られ、再び循環する仕組みです。

1-2.ほかの給湯器との違い

従来の電気給湯器は、電気だけでお湯を沸かすのでエコキュートよりも電気代が高くかかります。エコキュートも電気を使いますが、外の温度も活用するので省エネルギーでお湯が沸かせるのです。また、停電が起きてもタンクから水を取り出せる・断水時などはタンク内の水を非常用水として使える点がメリットの1つとなります。

1-3.省エネ効果について

エコキュートは省エネ効果が高いことでも知られています。ヒートポンプ技術を採用しているので、従来の電気給湯器と同じ電気エネルギーを使用しても、約3倍の熱エネルギーを得ることが可能です。よって、少ない電力でもお湯を十分に沸かすことができます。空気中の二酸化炭素が冷媒として使われるため、その分の電気代が節約できるのです。

1-4.種類・メーカー

エコキュートを製造している主なメーカーは、三菱電機・コロナ・ダイキン・東芝・日立・パナソニックです。それぞれ特徴が異なるため、導入の際はチェックしておくとよいでしょう。

  • 三菱電機:国内半分以上のエコキュートが三菱電機の製品。自動風呂配管洗浄機能など独自の機能が備わっている
  • コロナ:暖房機器製造会社で有名なメーカーで、コロナ独自のES(エネルギー・セーブ)制御機能で効率的にお湯をつくることができる
  • ダイキン:従来と比較して約1.8倍の高圧シャワーを実現した独自の高圧給湯技術を持っている
  • 東芝:業界最大の5年間保証が特徴。銀イオン発生ユニットなど風呂機能が充実している
  • 日立:初のウレタン発泡断熱構造ユニットがエコキュート貯蔵ユニットに採用されている
  • パナソニック:業界初の人センサー機能がついている

1-5.最近の傾向

エコ給湯器として注目されていますが、普及率は全体の約10%と低めです。初期費用が高いこともあり、導入を躊躇(ちゅうちょ)する方もいるでしょう。しかし、電気代が安いので長く使い続けることを考えると、コストパフォーマンスに優れているといえます。

2.エコキュートの騒音について

電気代の節約などメリットが大きいエコキュートですが、騒音トラブルが問題に挙がっています。一体なぜでしょうか。

2-1.エコキュートの騒音とは

エコキュートのヒートポンプからは低周波が出ています。低周波は人の耳に届く音ですが、昼間は気にならない程度です。しかし、静かな夜にエコキュートを動かすと、音が気になるという人もいます。実際に、「稼働音が気になって眠れない」などの近隣トラブルが発生しているのです。

2-2.どのくらいの騒音か

エコキュートの騒音は、約10~15Hz(ヘルツ)といわれています。エアコンを稼働したときの音に似ているため、日常生活では気にならない方が多いでしょう。問題は、稼働時間と設置場所にあるようです。エコキュートは夜間電力の使用により電力コストが削減できるため、深夜に稼働することが多くなります。そのため、騒音が問題になりがちなのです。また、設置場所が隣家の窓に近ければ稼働音と振動が伝わりやすくなり、騒音トラブルに発展するのです。

2-3.健康被害やトラブル・問題点について

現在のところ、エコキュート運転音によって被害者に生じる健康被害は明確ではありません。音に対する感じ方も人それぞれなので、騒音になるかどうかは個人差が大きいといえるでしょう。しかし、音に敏感な方がエコキュートの稼働音・振動で眠れない夜を過ごすと、健康被害となる可能性があります。音によるストレスが、体への悪影響につながるのです。

3.エコキュートの騒音対策について

エコキュートによる騒音トラブルを防ぐためには、きちんと対策を立てておかなければなりません。導入前にきちんとチェックしておきましょう。

3-1.対策法とは

主な対策法としては、設置場所・遮音・点検の3つが大きなポイントとなります。

3-1-1.設置場所

エコキュートは貯湯タンクが必要なので、設置スペースを確保しなければなりません。スペースを確保する際は、隣家の寝室・窓・通風口からできるだけ距離を取りましょう。エコキュートの運転音は内臓されたヒートポンプから発生しているため、できるだけ隣家との距離を取ることが大切です。また、壁や塀(へい)に囲まれた狭い場所は、音が増幅しやすいので注意してください。

3-1-2.遮音

どうしても適切な場所が見つからない・すでにエコキュートを設置している方は、防振材・防音壁・防音シートなどを使用して遮音対策をしましょう。壁・塀などを設ける方もいますが、エコキュートと極端に近い場所へ配置すれば、稼働効率の悪化や音の増幅を招いてしまいます。防振材・防音壁を設置する場合は、以下のポイントに注意してください。

  • 塀の長さは高さの数倍以上を両側に取る
  • 塀の高さは音源より1m以上高くする
  • 機器の周囲にはメーカー指定の間隔を確保し、極力スペースを設ける
  • 塀の材料はスレート・コンクリートブロックなど強固で頑丈なものを使う

3-1-3.点検について

騒音対策のために、定期的な点検は必要不可欠です。定期点検を行うことで、ヒートポンプ技術を長く安全に使用でき、騒音を防ぐことができます。また、故障も未然に防ぐことができるので一石二鳥です。

3-2.注意点

エコキュートの騒音トラブルは、導入直後に多く発生しています。「音が気になることは分かっていたけど、こんなに大きいとは思わなかった」など、隣人とトラブルになることが多いのです。特に、隣家との距離が近い場合は、注意しなければなりません。導入前に、スペース・設置場所をきちんと確認しておきましょう。

4.エコキュートの選び方

ライフスタイル・家族構成に適したエコキュートを選ぶポイントを説明します。

4-1.選び方のポイント

エコキュートの選び方で注意しておきたいポイントが「タンク容量」です。メーカーによって異なりますが、370L、460L、550Lの3種類が基本となります。家族人数で容量が変わるので、以下の目安を参考にしてください。

  • 370L:4~5人家族
  • 460L:5~7人家族
  • 550L:7~8人家族

4-2.向いている家庭

電気代を節約したい・オール電化にしたいという家庭にエコキュートが最適です。無駄なエネルギーを減らし、最小限の消費電力で稼働するので省エネ効果が期待できます。また、1日に400L以上のお湯を使わない家庭もおすすめです。

4-3.種類・サイズ

エコキュートの種類・サイズは、タンク形状の違いとなります。タンク形状は、角型・薄型の2種類です。角型はベーシックタイプといわれており、高さがあって幅が狭いのが特徴となります。薄型は、奥行きが狭いので小スペースでも設置可能です。エコキュートの形状を選ぶ場合は、設置場所を考慮したほうがよいでしょう。

4-4.設置場所について

できれば、隣家との距離が取れる場所に設置したいですが、個人ではどこに設置すればよいのか分かりませんよね。そんなときは、設置業者に相談してください。プロの業者であれば、騒音対策に適した場所がどこなのか、アドバイスをしてくれます。話し合いながら決めたほうが、安心して設置できるでしょう。

4-5.補助金について

エコキュート導入時の初期費用は、従来の給湯器よりも高額です。そのため、導入を躊躇する方もいると思いますが、補助金制度を利用すれば問題なく設置できます。エコシステムの導入推進のために、各都道府県が補助金を提供しているのです。補助金制度を行っていないところや、補助金の上限・条件があるため、自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

4-6.業者選びのポイント

正しく設置できるかどうかは、業者選びにかかっています。信用できる業者へ依頼するために、以下のポイントに注目して選んでください。

  • 丁寧でスピーディーな対応か
  • 給湯器の種類が豊富にそろっているか
  • 設置工事の経験が豊富で実績があるか
  • 料金設定が明確になっているか
  • 保証・アフターフォローが充実しているか

給湯器・住宅設備の激安販売・設置工事を行っている「給湯器設置・交換ガイド」では、10年間の工事保証がついています。10年以内の不具合に関しては、無償で修理対応しているのでご安心ください。

4-7.注意点

複数の業者を比較せず1社だけにしぼるのはNGです。最初から1社だけにしぼると、安い費用で購入・設置できる業者に依頼できなくなってしまいます。費用・サービス内容・スタッフの対応などポイントを踏まえた上で、複数の業者を比較してください。

5.エコキュートに関してよくある質問

エコキュートに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.エコキュートの基本機能は何があるのか?
A.フルオート・オート・給湯専用の3種類があります。フルオートはボタン1つでお湯張り・保温・足し湯まで自動運転、オートはお湯張り、給湯専用は蛇口をひねるとお湯が出るシンプルな機能です。

Q.マンションでも設置できるのか?
A.設置前は必ず、管理人・管理会社に相談してください。マンションは上下左右の部屋と配管がつながっているため、自由に給湯器を設置することはできません。オール電化のマンションならエコキュートでも可能ですが、ガス給湯器の使用が多いマンションは不向きでしょう。

Q.制振材を貼りつける際の注意点とは?
A.制振材を貼りつける場合は、熱を持つ場所・給湯器の吸気口の近くなどは避けてください。貼りつける場所によっては危険を伴うおそれがあるため、不安な方は業者に相談したほうがよいでしょう。

Q.特に騒音が気になる時期はいつか?
A.冬場は、冷たい外気を暖めるため、コンプレッサー・ファンの回転数が上昇します。上昇するほど運転音が大きくなるので注意しなければなりません。夏に設置した家庭では、「冬になった途端、エコキュートの稼働音が気になり始めた」という事例もあるのです。

Q.エコキュートの設置費用はいくらぐらいか?
A.本体価格は、370Lタイプで約60万~90万円かかります。導入時は、設置工事が3万~4万円必要となるケースが多いため、余裕を持って70万~100万円は見積もっておいたほうがよいでしょう。具体的な費用については、業者へ確認してください。

まとめ

いかがでしたか? エコキュートは外気の熱を利用する仕組みなので、従来の電気給湯器よりも消費エネルギーを抑えることができます。電気代を節約したい方におすすめですが、導入する際は騒音対策をしておかなければなりません。できるだけ、隣家と離れた場所に給湯器を設置し、音が伝わらないための工夫が大切です。きちんとポイントを押さえておけば、騒音トラブルを防ぐことができるでしょう。