魔法びん浴槽とはどんなもの?メリット・デメリットは?
2015/12/07
2019/07/04
寒くなってくると、浴槽にためたお湯の温度も低下しやすくなります。家族の入浴時間がバラバラの場合、追いだきを何度もくり返して光熱費が高くなるおたくもあるでしょう。今は、浴槽を製造、販売するメーカーが「魔法びん浴槽」という製品を売り出しています。
そこで今回は、この魔法びん浴槽の特徴やメリット・デメリットをご紹介しましょう。
魔法びんのようにお湯がさめにくいと評判の製品ですが、浴室の構造によっても効果は変わってくるのです。
浴室のリフォームを考えているという方や新しく家を建てるという方は、ぜひこの記事を読んで浴槽選びの参考にしてください。
1.魔法びん浴槽とは?
魔法びん浴槽とは、浴槽を断熱材で包みこんだ2重構造の製品のことです。本当の魔法びんも二重構造になっていますね。今までの浴槽は、時間がたつにつれて浴槽の壁からも熱が逃げていくのです。
特に、昔ながらのステンレス製の浴槽は熱伝導率がよく、お湯がよりさめやすくなっています。ですから、特に冬場はしょっちゅう沸かし直しをしなければならない、という家も多いでしょう。
また、家族で入浴時間がバラバラだと、光熱費も余計にかかります。魔法びん浴槽にすると、お湯がぐっとさめにくくなるのです。メーカーの説明では、6時間たっても2度しか温度が下がらないとか。これならば、沸かし直しや足し湯をする頻度も減らせるでしょう。
2.魔法びん浴槽のメリットやデメリットは?
では、魔法びん浴槽にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか? この項で具体的に説明します。
2-1.魔法びん浴槽のメリット
魔法びん浴槽の最大のメリットは、光熱費が節約できることです。足し湯や沸かし直しはそのたびにガス代や電気代、水道代がかかります。時間は短くても、何回も行えば1か月でかなりの額になるでしょう。夏と冬では光熱費が倍近く違う、というおたくも珍しくありません。
また、家族で入浴時間がバラバラの場合ほど、お風呂の沸かし直しや足し湯にかかる光熱費が家庭に響いてくるでしょう。お風呂をさめにくくするグッズはたくさん販売されていますが、それでも保温には限度があります。魔法びん浴槽にしたら光熱費がかなり下がったというケースも多いのです。
2-2.魔法びん浴槽のデメリット
魔法びん浴槽にもデメリットはあります。まずは価格。浴槽自体を断熱材で包むわけですから、普通の浴槽より本体価格や設置費用が高くなります。
また、断熱材の分浴槽の面積が大きくなるわけですから、狭い浴室の場合は洗い場にわずかなスペースしか残らないということもあるでしょう。さらに、魔法びん浴槽の真価を発揮させるには、浴室自体も断熱構造であることが大切です。古い浴室の場合だと、通気性を優先させて浴室に断熱材が入っていないことも珍しくありません。ですから、浴室全体の改修工事が必要になることもあります。
魔法びん浴槽の場合は専用のふたなども必要です。一般的な浴室リフォームのように、浴槽だけを変えて後は昔のものを使おうというわけにはいきません。
3.魔法びん浴槽が適した家は?
では、どのようなご家庭が魔法びん浴槽を設置するのに適しているのでしょうか? この項で具体的にご説明します。
3-1.浴室を大幅にリフォームする計画がある
前述したように、魔法びん浴槽にするならば、大がかりな工事が必要になることが多いです。そのため、浴室のリフォームは魔法びん浴槽を設置するタイミングとしてはちょうどよいでしょう。
また、追いだきができないのでガス給湯器の買い替えを考えている、というときもおすすめです。ガス給湯器の種類によっては、追いだき機能を追加するために壁に穴を開けるなど、大がかりな工事が必要になる場合もあります。ですから、ガス給湯器を変えるくらいならば、魔法びん浴槽にして足し湯をした方が経済的にも負担が少ない場合もあるのです。
3-2.家族の入浴時間がバラバラの家
浴槽にお湯をためたら続けて入った方が光熱費の節約になります。しかし、仕事や学校などでどうしても入浴時間がずれてしまうこともあるでしょう。その結果、光熱費がはね上がってしまうことも多いのです。魔法びん浴槽にすれば、お湯がさめにくいですから、足し湯や沸かし直しは最低限で済むでしょう。
また、少人数のご家庭の場合、お風呂のお湯を2日ほど続けて使うケースもあります。そのときも、魔法びん浴槽の方が光熱費はかかりません。
4.マンションの場合は管理規約をよく読んでから
マンションは一軒家に比べると、リフォームに制限があります。特に、浴室などの水回りは大きさや位置などは変えられません。ですから、築年数がたったマンションほど管理規約などをよく読んで確認してから、工事を依頼しましょう。
古い住宅ほど浴室は小さく、浴槽も正方形のものが多いです。現在の浴槽は縦長の寝そべって寝るタイプが主流ですから、リフォームが難しいこともあるでしょう。
また、新しいマンションでも魔法びん浴槽の入るスペースがない、というところもあります。
5.魔法びん浴槽を設置したい場合はどうすればいい?
魔法びん浴槽を設置したい場合は、リフォーム業者に相談しましょう。浴室のリフォームを請け負っている会社ならば、たいていは魔法びん浴槽を取り扱っています。
また、浴室のリフォームをする場合は、給湯器の交換も視野に入れましょう。給湯器には号数があり、号数が大きいほど一度にたくさんのお湯が沸かせます。家庭で必要なお湯の量は、家族構成によって変わってくるのです。ですから、「お湯の出が悪くて困っている」という場合や「お湯の温度がすぐに下がっている」という場合は給湯器の号数が合っていない可能性があります。
さらに、給湯器の寿命は10年前後です。毎日使う機器ですから、お湯の使用量が多いご家庭ほど、給湯器の劣化も早まるでしょう。浴室を大幅にリフォームする場合は、お風呂が1~2日使えないこともあります。給湯器を交換するにはよい機会でしょう。住宅設備機器販売業者などに相談してみてください。たくさんの給湯器を取り扱っている会社に相談すれば、自分の家にぴったりのものも見つかりやすいのです。
おわりに
今回は魔法びん浴槽の特徴やメリット・デメリットをご紹介しました。
まとめると
- 魔法びん浴槽とは、浴槽を断熱材で包んだ製品である。
- 本当の魔法びんと同じ構造なので、お湯がさめにくく光熱費の節約にもなる。
- 価格が高価で工事も大がかりになるため、浴室の構造によっては取りつけが難しいこともある。
ということです。魔法びん浴槽にしたからといって、追いだきや足し湯が全く不要になるというわけではありません。しかし、実際に設置した人の話を聞くと、光熱費がかなり下がったというケースがほとんどです。
ただし、家族全員が続けて入浴できるというご家庭や、冬でも温暖な気候なので浴槽のお湯の温度低下がほとんど気にならないという場合は、あえて魔法びん浴槽にするメリットは少ないでしょう。
また、本当の魔法びんと同じようにある程度お湯が入っていないと、保温効果が少なくなります。魔法びん浴槽にするならば、毎回浴槽の80%くらいまでお湯を入れる必要があるのです。