エネファームの仕組みやメリット・デメリットは?
2016/01/31
2019/12/27
電気やガスの力でお湯を沸かす給湯器は、年々進歩を続けています。より少ないエネルギーでより効率的にお湯を沸かせる給湯器は、次世代型給湯器とも呼ばれているのです。
そこで今回は、そんな次世代型給湯器の一種、エネファームのメリット・デメリットをご紹介します。次世代型給湯器というと、排熱を再利用してお湯を沸かすエコジョーズやエコキュートが有名ですが、エネファームはどのような特徴があるのでしょうか? 答えはこの記事を読めば分かります。
1.エネファームとは?
エネファームとは、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」の商品名です。しかし、これだけではなんのことか分からない方が多いでしょう。もう少し具体的にご説明します。エネファームは、都市ガスやプロパンガスを使って発電とお湯を沸かす給湯器です。家庭でできる発電というと太陽光発電が有名ですが、天然ガスに含まれている水素でも発電が可能。
また、発電をすると必ず熱が発生します。この熱を利用してお湯を沸かしタンクに貯湯して必要なときに使う。これが、エネファームの仕組みです。発電できる電力は家で使えますので、電気料金の節約もできるでしょう。
天然ガスを利用した水素発電は、二酸化炭素の排出量が少なく環境にも優しいのです。ですから、導入する際に自治体から補助金が出ることもあります。なお、エネファームは都市ガスだけでなくプロパンガスでも利用できるのです。
2.エネファームのメリット・デメリットは?
では、エネファームにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか? この項では、具体例をご紹介します。導入しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
2-1.エネファームのメリットは?
エネファームの最大のメリットは、発電と給湯を同時に行えるシステムです。たとえば、太陽光発電とエネファーム以外の次世代型給湯器の両方を導入した場合は、かなりの費用と工事の手間、さらにソーラーパネルと給湯器を両方する設置スペースが必要になります。しかし、エネファームは導入が一度で済む上に、設置スペースもそれほどいりません。
また、発電には燃料電池を使っているので騒音の心配もないのです。さらに、ガス会社によってはエネファーム専用のガス料金プランがあり、ガス料金が安くなる可能性があります。そのうえ、最新モデルではスマートホンを使ってお風呂の湯はりなどを行えるのです。
なお、発電量や電力使用量は太陽電池と同じように設置したパネルから一目で確認できます。
2-2.エネファームのデメリットは?
エネファームは、導入費が次世代型給湯器の中でも高いです。メーカー努力により価格も下がり、自治体から補助金も出ますがそれでも一般的な給湯器を導入するより高いでしょう。
また、エネファームは太陽光発電パネルに比べて寿命が短いです。メーカー側は約20年と発表していますが、使い方や設置された環境によって長くも短くもなるでしょう。
発電した電気はすべて自宅で消費しなければなりません。太陽光発電と違って、売電はできませんので注意が必要です。さらに、プロパンガスの場合は小売店によって価格が違います。エネファームを導入すれば、当然ですがガスをたくさん使いますからガス代は増えるでしょう。
その結果、節約できた電気代に比べてガス代が高すぎる、ということも起こるのです。それほどお湯も電気も使わないご家庭は導入費用とランニングコストに比べて、お得感を実感できないこともあるでしょう。
3.エネファームの導入がおすすめの家は?
では、エネファームの導入がおすすめの家はどのような特徴があるのでしょうか? この項で、その一例をご紹介します。自宅と比べてみてください。
3-1.お湯をたくさん使う
家族が多かったり北国で生活していたりすると、どうしてもお湯をたくさん使います。特に、北国の場合はガス暖房を使っていると冬の光熱費が高額になるでしょう。ですから、エネファームを使った方が光熱費を抑えられる可能性が高いです。
3-2.都市ガスをひいている
エネファームは都市ガスでもプロパンガスでも使えますが、現在のところ、都市ガスの方が導入すると料金の優遇が受けやすいでしょう。しかし、プロパンガスを使っている家はエネフォームを導入しない方がよいのか、といえばそうではありません。
プロパンガスを販売している店舗によっては、エネファームの普及を目指してガス料金を優遇しているところもあります。そのような店舗は広告なども盛んに配っていることもあるでしょう。近くにそのような店舗があるというところでは、導入を検討してみてください。
3-3.家族がお湯を使う時間がバラバラ
家族でお湯を使う時間が違うと、やはり光熱費が高くなります。特に、お風呂に入る時間が違うと、そのたびに沸かし直しや足し湯をしなければいけません。冬になれば、それが原因で光熱費が高くなることもあるでしょう。
エネファームを導入すれば、お湯がぬるくなれば自動的に追い炊きをするということもできます。さらに、貯湯式といって沸かしたお湯をためておく仕組みですから、お湯を使うのにいちいちガスを沸かす必要はありません。ですから、光熱費がより節約できるでしょう。
4.エネファームを導入するまでの流れは?
エネファームは、大規模リフォームや家を新築する特に導入するのが一番です。従来の給湯器からエネファームに交換するには、大がかりな工事が必要になります。絶対にできないということはありませんが、工務店と綿密な打ち合わせをしましょう。
なお、オール電化住宅だけどエネファームを導入したいという場合は、敷地の中にガス管が引きこまれているかどうか確認してください。もし、引きこまれていないならばそこから工事を始める必要があります。
また、ビルの壁などに給湯器を設置しているところは、設置できるかどうか事前に問い合わせましょう。エネファームの設置工事自体は1日で終わります。しかし、床暖房なども同時に導入する場合は、2~3日は見ておくとよいですね。
さらに、ガス料金のプランを変更するには、ガス会社への申し込みが必要になります。直営店で購入した場合は、店舗の方で手続きしてくれるところもあるでしょう。しかし、それ以外は自分で電話などをして行ってください。
おわりに
今回はエネファームの仕組みやメリット・デメリットをご紹介しました。エネファームは、一時期盛んにテレビでCMが流されていたので興味を持った方もいるでしょう。また、「エネ」がつく名前の給湯器が多すぎて、どれがどれだか分からないという方もいると思います。ですから、給湯器の購入の際は次世代型の給湯器の特徴をおおざっぱでもいいですので、覚えておいてください。
これらの給湯器は企業のホームページなどでも詳しく解説されていることが多いです。しかし、たいていメリットしか書かれていませんので、今日ご紹介したようなデメリットもきちんと把握しておきましょう。給湯器の使い方は各家庭によって違います。ですから、どんな家庭の光熱費もお得になる、ということではありません。導入を考えている方は今まで使っていた給湯器のデメリットと、エネファームのメリットをよく比べてみてください。